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更新日:2018年12月31日
人口減少社会における労働力不足や、消費者ニーズの多様化、経済のグローバル化が進む中で、企業には女性や若者、高齢者、障害者、外国人など多様な人財を採用・育成し、企業の成長につなげることが求められています。
働く女性が増える中で、多くの女性が直面する課題が、仕事と家庭との両立です。結婚や出産、介護などに直面した女性が働き続け、その力を存分に発揮してもらうためには、雇用する側に、仕事と家庭を両立できる職場環境の整備が求められています。両立するための支援制度の充実のほか、経営者や社員の意識改革により、制度を利用しやすい職場の風土づくりなどに、実際に取り組む企業も増えています。
これらの取り組みは、仕事と家庭の両立に悩みを抱える女性だけでなく、全ての人が働きやすく活躍できる職場として、優秀な人材の確保・定着を図ることができ、企業の成長や活力ある地域づくりにつながります。
県では「働く女性が活躍できる社会づくり」を目指し、行政や経済団体、民間企業、労働者団体で構成する「いばらき女性活躍推進会議」を中心に、官民が一体となってさまざまな取り組みを進めています(右図)。平成28年度からは、女性活躍やワーク・ライフ・バランスの推進、子育て支援に積極的に取り組んでいる企業を「女性が輝く優良企業」として、1つ星から3つ星の三段階で、県が認定・表彰する制度を設けています。
今回は、今年度、最高峰の3つ星に認定された、一誠商事株式会社の取り組みと、そこで活躍する女性職員をご紹介します。
つくば市に本社があり不動産業を営む一誠商事株式会社では、社員が仕事と家庭を充実させることが、企業の成長と社会への貢献に結びつくと考え、日頃から社員の意見を聞き、働きやすい職場環境の整備を進めています。
具体的には、業務を効率化するため、迅速に意思決定ができる電子決裁の導入や、夏季・冬季休暇以外に6日間の連続した有給休暇の取得の推奨などを行っています。
また、毎月の支店会議の終了後に、役員と社員が自由に意見交換ができる食事会を開催したり、LINEグループで情報交換ができる「ママ友会」を結成するなど、制度の充実以外にも、風通しの良い職場環境づくりに力を入れています。
社員の絆を深める社内旅行
守谷支店でマンション・アパートの賃貸物件などを扱う佐藤美希さんは、8歳と5歳の2人の子どもを持つ母親です。産前・産後休暇の取得や育児休業を経て、今はフルタイムで働いています。
「育児休業から復帰した頃は『子どものことも、仕事も、自分一人で頑張る』と意気込んでいたのですが、思い通りに進まず、疲労感やイライラの矛先が家族に向かってしまうこともありました」と語る佐藤さん。この状況を上司に相談したところ、職場としても全面的に協力する旨を伝えてくれ、心に余裕が生まれたそうです。佐藤さんの子どもが体調不良の時などは、同僚たちに仕事のフォローを頼むことができ、とても心強い味方になってくれていると話してくれました。
佐藤さんにとって「働くこと」は、妻でも、母でもない「自分らしさ」を発揮し、地域の方に貢献することだと言います。仕事で心掛けていることは、お客様の希望やその背景などを把握して、最適な物件を提案すること。女性ならではの視点から、お客様にアドバイスできることも自分の強みだと言い、先日もお客様からの「佐藤さんの紹介物件は信頼できる」という言葉が嬉しかったそうです。
そんな佐藤さんの楽しみは、6日間の連続した有給休暇を利用し、毎年、家族旅行に出掛けること。しっかり休んで家族と過ごすことで、次の働くエネルギーが沸いてくるそうです。
「日々、精一杯仕事に取り組み、会社にも周りの方にも、今は頼れることは頼る。そして、いつか必ずそのお返しをします」と言い切る佐藤さんは、一層輝いて見えました。
一誠商事株式会社守谷支店佐藤美希さん 仕事のモチベーションを上げてくれるアイテムは、子どもからの「お仕事がんばってね」の手紙。将来、子どもとパン作り教室に通うのが夢。 |
女性が活躍していくためには、ライフイベントを視野に入れたキャリアプランを考え、自分らしい働き方を実現していくことが重要です。そこで、県では、女子学生に県内企業で生き生きと働いているビジネス・ウーマン20人にインタビューしてもらい、その魅力をタウン誌やフェイスブックで紹介する取り組みを行っています。
20人20通りのロールモデルの姿を通じて、今後の生き方・働き方を、改めて考えてみませんか。
人文社会科学部 倉持ゆりさん |
同上 松江まおさん |
人事部課長代理 小池千鶴子さん |
日立店副店長(取材当時) 原木夕美さん |
倉持 | 株式会社ケーズホールディングスは「女性が輝く優良企業」として、昨年度3つ星に認定されたそうですね。人事を担当する小池千鶴子さんにお聞きします。社員が仕事と家庭を両立するための環境整備として、どのようなことに取り組んでいますか。 |
小池 | 社員それぞれのライフスタイルに合った働き方ができるよう、三百通り以上のシフトを用意し、育児休業や介護休業の期間は法律よりも長く適用しています。さらに企業内保育所(水戸市)も開所しました。また、自身の働き方の参考にできるように、女性社員同士の交流を図る座談会を実施するなど、制度の充実以外にも、女性が「活躍したい」とモチベーションを上げられる環境づくりに力を入れています。 |
松江 | それでは次に、部下への接客指導や店舗の管理運営を担当する日立店副店長(現在、水戸内原店店長)の原木夕美さんにお聞きします。関東地方にある約百三十店舗の直営店の販売員約千五百人の中から、売り上げ優秀者になった経験をお持ちとのことですが、仕事のやりがいとは、どのようなものですか。 |
原木 | 当時働いていた店舗は、規模が大きいのに売上優秀者がおらず「自分がやるしかない」と入賞を自分の目標に掲げました。毎日、全店舗の売り上げの順位にドキドキしながら精一杯販売をしたので、入賞した時には達成感を覚えました。今は、管理職として、自分の経験を基に、後輩にアドバイスをし、後輩の成長を見るのが仕事のやりがいになっています。悩みや不安、困ったことは身近な先輩に相談してほしい。先輩に頼りながら、少しずつ自分の目標を決め、楽しく仕事をしてほしいと思っています。 |
企業が、支援制度の充実はもちろん、社員の働く意欲を向上させることが企業の成長のために大切だということが分かりました。
印象的だったのが、お二人のキラキラした笑顔で、将来、自分たちも、仕事にやりがいや目標を持ち、意欲的に働きたいと思いました。
県女性活躍・県民協働課
☎029(301)2178
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